特集 プリンストン通信 第11回 |  |
第11回 アメリカの夏休みーサマーキャンプ事情
みなさん、こんにちは。I・E・Iプリンストンの裕子です。早いもので、もう2008年も半年過ぎてしまいましたね。 日本は梅雨なのでしょうが、プリンストンは梅雨がないので、これからは日も長く、最高の季節になります(^-^)
プリンストンがあるアメリカ東部では、日本の学校が一斉に夏休みになるのと違って、公立の学校でも校区によって違ったり、公立、私立によっても日にちは多少違いますが、6月中旬から夏休みに入ります。アメリカの小学生、中学生、高校生が9月初めに新学期を迎えるまで、3ヶ月近い長——い休みをどのように過ごすのか、今日は「アメリカのサマーキャンプ事情」をご紹介します。
■夏休み=キャンプ
アメリカはサマーキャンプの発祥地で、その歴史は100年以上あるそうですが、歴史も古いだけあって、キャンプの選択肢もそれはびっくりするほど豊富にあります。小学校から高校まで90%の子供達がキャンプ経験があるといわれています。夏休みイコール キャンプといっても言い過ぎではないでしょうね。
親として一番気になるのは、安全で安心して子供を預けられるキャンプ。もちろんコストもですが。。。 そして長い夏休み中は学校を離れて大いに遊び、自分で興味がある分野を伸ばして成長してほしいことです。 それと、毎日自宅でTVばかり見て、何もしないで退屈し、非行に走っては困るのも親の本音ですね。
■我が家の娘は・・・
我が家の娘は14歳になりますが、今年のキャンプは、まず6月末にプリンストン大学の女子ラクロス部が主催する4日間の強化合宿から始まります。大学の寮で寝泊りをし、かなりハードなキャンプです。 そして7月はニューヨークのマンハッタンにあるファッション工科大学の中学、高校生対象の3週間のサマーキャンプ。 朝9時から午後4時まで毎日大学に通います。そこで洋服のデザイン、ジュエリー制作、プリントのデザインなどを学び、おしゃれに興味があるティーンエージャーにとってはとても楽しいキャンプです。 8月は家の近くのゴルフスクール主催の1週間のデーキャンプへ(日帰り)。 もうすでに8月初旬までの予定はびっしり!
■驚くほど豊富な種類のキャンプ、みんな目的をもって参加しています。
では、娘以外の中学生、高校生達がどんなキャンプに参加するのか、ご紹介しましょう。
- 数学と科学が得意で、将来宇宙飛行士を夢見るローレンス君は、NASA(アメリカ宇宙局)主催のキャンプへ。
- バスケットボールが大好きなフィル君は、NBA、ナショナル・バスケットボール・アソシエーションが主催するキャンプ。憧れのスターに会える可能性もあります。
- テニスが得意なビッキーさんは、フロリダでのテニス強化合宿に参加。彼女の高校生のお姉さんは、パリで2週間のフランス語の語学キャンプ。
- アイリッシュダンスが得意なケイトさんは、アイルランドでの強化合宿。
- サッカーが大好きなアンナさんは、プリンストン市のスポーツ部が主催する2週間のサッカーのデーキャンプへ。
- 美術が得意で高校の美術の先生から推薦され、フィラデルフィアの美術大学の5週間のサマーキャンプへ参加する高校2年生のケリーさん。
- 写真が大好きなアレグラさんは、私立の高校が主催するアートキャンプの写真の撮影、現像などを学ぶキャンプ。
- 映画が大好きなトム君は、マンハッタンのフィルムアカデミーで、映画制作のキャンプ。
- 音楽が大好きなメアリーさんは、ちょっとは離れたテネシー州のミュージックキャンプへ。ここでは、緑に囲まれた素晴らしい環境で、バイオリンからヒップホップ、ジャズまで幅広く学べるそうです。
- 両親が熱心なクリスチャンのエリエールさんは、ニューヨーク州の静かな山間で1週間のキリスト教のバイブルキャンプへ参加。
そのほか自分の不得手の教科を補強する、数学、作文などの学習キャンプや、アメリカで社会問題となっている子供の肥満、その減量を目的にした強化合宿キャンプもあります。
とにかくお金とやる気があればいろいろな可能性を試せるアメリカのサマーキャンプです。
■専門的なものだけじゃなく、一般的なキャンプもあります。
アメリカで一般的なデーキャンプは、学校と同様、毎日スクールバスで送迎してくれる日帰りのキャンプです。日本でキャンプというと泊まりを想像しますけど、このキャンプはそうではありません。
ニュージャージー州にある「リバティー・レーク・デーキャンプ」に参加するキャサリンさん。 彼女は今14歳ですが、このキャンプには7歳から毎年参加しています。 高校生2年生(15歳)になると彼女自身がキャンプでの準指導員になる資格が得られるとか。 さらに、高校3年、4年生の生徒は指導員の資格が得られ、キャンプの費用も半額になるそうです。
このキャンプは幼稚園、小学校1年生から高校4年生までを対象に、毎年6月中旬から8月中旬まで12週間開催され、その間最低2週間から10週間の好きな期間参加できるフレキシブルなスケジュールをとっています。月曜日から金曜日まで週5日、朝は7時から午後6時までで、仕事をもつ両親にとってはうれしい時間帯です。
毎日、スクールバスで送迎。おやつ、昼食も含まれており、費用は2週間で1,145ドル、10週間では4,395ドルかかります。キャンプの活動内容も水泳をはじめ、サッカー、ボート、バスケットボール、ダンス、ラクロス、野球、などのスポーツ、ドラマ、絵画、彫刻、料理、マジック、チェス、ビデオ制作など非常に充実しており、毎日自分の好きなものを選べるのもアメリカらしいですね。
さあ、これから始まる長——い、長——い夏休み、今年もぜひ無事で楽しい夏休みになりますように!!
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