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特集 プリンストン通信 第6回
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第6回 マンハッタンのハーレムを訪ねて 「ハーレムのピカソ」 1話
みなさん、新年おめでとうございます。I・E・Iプリンストン支社の裕子です。
今年も良い年でありますように!!
今回は、プリンストンから車あるいは電車で1時間のマンハッタンへご案内、マンハッタン島の北にあるハーレムを紹介します。実は、私はアメリカでの生活は20年近くになり、マンハッタンへもしばしば訪れているのですが、ハーレムには今回初めて足を運びました。ハーレムのイメージが変わってきているとはいえ、なかなか機会がなかったのです。 この20年間アメリカ社会も大きく変わりましたが、ハーレムの変遷は一番目覚ましいものがあるのではないでしょうか。
さて、今回私がハーレムを訪れたのは、ある黒人の画家さんに会うためでした。
ハーレムの中心125丁目で、25年以上にわたり無料で商店のシャッターに絵を描き、ハーレムの明るい街づくりに大きく貢献された『ハーレムのピカソ』と呼ばれる画家フランコさんです。
このフランコさんには、毎週日曜日の朝9時から13時までの間なら誰でも、アポロ劇場の向い側で会うことが出来るのですが、今回は大変幸運なことに、フランコさんのスタジオを訪問し、インタビューをすることが出来ました。
そして、ハーレムの真っ只中で生きてこられたフランコさんから、生の声でハーレムの内側から見た街の変遷とご自身の体験について、力強いメッセージを伺いました。
ハーレムのシャッターに描かれたフランコさんの作品達
まず、フランコさんのインタビューに移る前に、簡単にハーレムの歴史を説明します。
アポロ劇場
1658年にもともとハーレムに入植したのはオランダ人で、彼らはこの地をニューハーレムと名づけました。
1904年に地下鉄がハーレムまで開通すると、ユダヤ人を筆頭に、アイルランド、イタリア、ドイツ、ロシア、英国、北欧などの移民が住む町となりました。そして、住宅建築ラッシュも起こり、現在も見られる美しいブラウンストーンやアパートメント・ビルが大量に建てられたそうです。
1910年代にビルの建てすぎにより、ハーレムの地価が暴落し、アパートの家賃が急激に下がりました。当時南部の貧しさから逃れて北部に移住してきた黒人が大量に住むようになります。
1914年には、ハーレムの中心125丁目にある有名な「アポロ劇場」も建設され、ルイ・アームストロング、デューク・エリントン、ビリー・ホリディー、ジェームズ・ブラウンなどの多くのスターを生み出し、「コットンクラブ」と共にニューヨークのナイトライフの中心になります。しかし、当時はまだ人種差別がきびしく、エンターテイナーのスター達は黒人でも、観客としては黒人達は入場出来ませんでした。今でもこの[アポロ劇場]はニューヨーク歴史建造物に指定され、いろいろなショーが公演されています。
1920年代には、ハーレムは作家、詩人、画家、ジャズミュージシャンが集うメッカとなり、「ハーレム・ルネッサンス」と呼ばれる優雅な文化が開花します。
1929年の大恐慌は「ハーレム・ルネッサンス」を衰退に導き、ハーレムを直撃、住民の50%が失業します。
1950−1960年には、黒人が差別撤廃と地位向上を目指した公民権運動が全米で盛り上がり、マルコムXや、マーチン・ルーサーキング牧師など多くの黒人指導者がハーレムを基盤に活躍します。その後公民権運動は一応成功を収めます。
1970年-1980年代にかけて、朝鮮戦争、ベトナム戦争のあおりで失業した帰還兵たちがハーレムに集まり麻薬・精神病などを蔓延させたため、ハーレムは荒廃し、スラム化が進みます。
現在の125丁目の通り
1980年代後半から再開発のプロジェクトも始まり、再生のきざしが見えてきます。
2000年代に入ると、ハーレムは大きく変わってきます。元バスケットボール選手のマジック・ジョンソンが「ハーレム USA」というショッピングモールを、そしてクリントン元大統領がオフィスを、ともに125丁目にひらくという話題も手伝い、安心して歩ける明るい街へと変わってきました。さらに、今ではアフリカン−アメリカンだけでなく、ラティーノ、カリビアン、西アフリカ諸国からの移民が増え、また、「スパニッシュ・ハーレム」と呼ばれる地域もあり、あらゆるカルチャーを楽しめる街へ変貌しつつあります。
次回から、
フランコさんのインタビューをお届けします。
ご期待ください。
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