特集 プリンストン通信 第16回 |
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世界最大の"石"の展示会
こんにちは、I・E・Iアメリカ支社の高木です。
1月から3月にかけてはアメリカ各地で、諸々の展示会が開催されます。
それら展示会の中で最大規模といえるのがアリゾナ州・ツーソンで開催されるツーソン・ジェム・ショー(世界最大の宝石・鉱物の展示会)。
50年以上の歴史(初回開催1,955年)を誇り、毎年1月末から約3週間行われています。
この展示会には、日本本社への提案のため、たびたび訪れており、今年は2月3日〜8日の6日間訪問しました。
その様子をレポートします。
■ツーソンってどんな都市?
アメリカ合衆国の南西部、グランド・キャニオンが有名なアリゾナ州第2の都市(人口約50万人)。
展示会開催期間には、人口の約1割にあたる5万人の業者、バイヤーなどが集まり、町中がショーの関係者であふれかえります。
ツーソンはカリフォルニアからメキシコにかけて広がるソノラ砂漠に位置し、山岳地帯に囲まれているため、朝・昼・晩で寒暖の差が激しく、夏には日中の気温が40度まで上昇します。
サボテンに囲まれたのどかな風景。

冬の2月でも日中は20度近くになりますが、遠方の山岳地帯では雪化粧。
ツーソン近郊には銅を産出する鉱山、アリゾナ州の北部にはアメジストの鉱山などがあります。
■ツーソン・ジェム・ショー
世界最大規模の宝石・鉱物見本市で、通称ツーソン・ショーと呼ばれています。
3,000〜4,000の企業が出展し、世界中から宝石やその原石のみならず、オーストラリアの鉱物、ポルトガルの化石、イタリアのビード、モロッコの隕石など、ありとあらゆる鉱物が集結。そして、宝石や鉱物のバイヤーのほか、美術館関係者、研究者、鉱物ファンなど、様々な目的を持った人たちが集まります。
中心になる会場は、ツーソン中心部のコンヴェンションセンターですが、町全体が展示会場といってもよいほどの規模で、50ヶ所にのぼるホテル・モーテルや野外テント、大型トラックの荷台まで、ところ狭しと宝石などが展示されます。会場と会場が、2キロ、時には10キロと離れている場合が多く、専用バスやレンタカーを利用して移動します。


大変規模が大きく、全ての展示を見て回るのには2週間くらいかかるといわれます。
ガイドブックだけでも相当の量です^^;(これで全部ではありません。)。

世界的に経済低迷といわれますが、集まるところには人は集まるようで、今年も展示会開催中のホテルはどこも満室のようでした。
日本への提案用の"ネタ"は明かせませんが、それ以外に今回のツーソン・ショーで気になったものをいくつか紹介します。
●天然石のおりん
日本では、仏壇には欠かせない“おりん”ですが、アメリカでも隠れたブームになっています。
ツーソンで紹介されているのは神秘の天然石おりん。健康医学の分野でも、おりんの奏でる音色を使うケースが増えているとのこと。英語ではSINGING BOWLといいます。
心の奥に響く音の余韻が自然治癒力を高めるなど、おりんは大学教授の研究対象にもなっているそうです。「へぇ〜」って感じですよね。
インドで生まれ、日本で育ったおりんが、海を渡りアメリカで進化中。水晶やルビーのおりんの清らかな音色は未体験の響きでした。
●鳥彫刻
天然石の鳥彫刻で国際的に著名なアーティスト、ピーター・ミューラーも毎年ブースを出しています。
スイス生まれのミューラー氏は、天然石の宝庫ともいわれるブラジルに工房を設立し、鳥の天然石彫刻を制作しています。その精巧な彫りが魅力で、美術館の収集品にもなる程。
今回ミューラー夫人が日本の皆様へと薦めてくれたのが「幸福のふくろう」の天然石彫刻。フクロウは幸運の象徴としてI・E・Iでも人気のモチーフです。
また、日本の特別天然記念物のトキの彫刻もありました。
●ビーズ・アート
今回のショーで、特に人を集めていたのがビーズの展示会場。
ビーズ・アーティストが世界中から結集した展示場は熱気にあふれていました。
ビーズの実演コーナーには常に人だかりができていました。

日本でも数年前からブームとなっているビーズですが、まだしばらくブームは続きそうですね。
以上、2009年のツーソン・ショーでした。
"新しい宝飾品はツーソンから"
このツーソン・ジェム・ショーより、これまでたくさんのI・E・Iのヒット商品がでています。今年もこの展示会がきっかけのヒット商品がでることでしょう。
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