第一回目の今回は、アメリカのユニークな食生活の話題をお届けします。
プリンストン生活13年、今でも日本料理が時々恋しくて
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日本人にとって日本料理はとても大切なもの。それは日々の食生活としては勿論、文化的なアイデンティティからもとても重要です。日本にいると気が付かないことですが、外国特にアメリカのような他民族国家に来るとつくづくそう感じます。プリンストンでの生活は13年もの年月が経ちましたが、今でも日本食が時々恋しくなります。日本食ブームのおかげでお寿司は今やどこのスーパーでも簡単に買える時代になり、醤油、味噌、豆腐、のり、わさび、日本茶といった食材も一般のアメリカ人の家庭に浸透しています。その他の
食材もアジア系のスーパーで手に入る物が多く、値段は少々高いのですが日系のスーパーに行けばどんなものと言っても良いほど沢山の日本製品を目にすることができます。
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アメリカにいるとわかる、日本の食文化ってすごい!
日本人が生活するにはアメリカはとても良いところだと言えますが、そんなアメリカでも手に入らないものが色々とあります。まずは、美味しい野菜。特に日本のきゅうりや茄子の味の濃さは飛びぬけていますし、西洋が本場であるはずのトマトの豊潤な味わいはサンドイッチ用の固めのタイプが多いアメリカではなかなか味わえません。因みにカリフォルニア米はとても美味しいですし、カリフォルニアでは「カルフォルニア生一本」という日本酒を醸造しているくらいです。話は少々脱線しますが、意外なことにパンは日本のパンの方がずっと美味しいと思います。しっとりした焼きたての香ばしいものはなかなか手に入れることができず、日本人が経営するパン屋さんが繁盛するくらいです。次に手に入らないのは、新鮮な魚。アメリカのフィッシュマーケットで売っている魚介類はあまり種類がなく、定番のカジキマグロやサーモン、タラ等の切り身、エビ、カニが幅を利かせていて、日本人が好む魚、タイやヒラメ、アジやブリといったものを見つけることはなかなかできません。ほとんどのアメリカ人は魚の形が残った料理を好まずフィレ状になったものしか食べないという嗜好があるのです。日本人の食生活に使用される魚等、素材の多様性、その多様な素材を活かした料理法、すなわち日本の食文化は本当に世界に誇れるものではないでしょうか。アメリカで生活すると強く実感します。
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