岡染(おかぞめ) |
大倉陶園独特の技法で、「ブルーローズ」が代表的な作品。本焼きした白生地の上に油で溶いたコバルト質絵具で絵を施し、再度1400℃を越える高温度の本焼窯で焼成します。コバルトの青い色はうわぐすりの中に沈み込み、柔らかく、深みのある紺青の絵柄が完成します。 |
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描き絵 (かきえ) |
白生地の上に絵を描き、絵窯で焼きつけます。その温度は約880℃で本焼窯よりははるかに低い温度であり、絵具は釉面に焼き付くだけですが、色の種類は大変豊富です。日本の伝統的上絵付技法と異なり、大倉陶園では絵具を油で溶いて描くので多様な調子のある絵を表現できます。 |
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呉須(ごす) |
日本の伝統的磁器の呉須、染付とまったく同じ技法です。吸水性のある素焼素地面に水溶きのコバルト質絵具で絵を付けます。うわぐすりを掛けてから本焼窯で焼成しますが、その温度が高いために絵具は素地にしみこみ、渋味のある冴えた色になります。 |
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瑠璃(るり) |
白生地の上にコバルト質の絵具をむらなく付け、さらに本焼窯で焼き付けます。この工程は岡染と同じです。白生地の釉面に一様にコバルト質絵具が溶け込んで、光沢のある深い紺青色のうわぐすりになっています。絵付法は転写や漆(うるし)蒔を応用します。 |
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漆蒔(うるしまき) |
白生地の上に漆をぬり、しばらく乾かして表面を少し固くします。乾いた上絵具の粉を漆の上に蒔き、綿で軽く擦って絵具を漆層の中に沈めます。普通の上絵付と同じように絵窯で焼成すると、光沢のある色無地の絵付が完成します。この大倉陶園だけの秘伝の技法、漆蒔は複雑な形の生地面にも絵具を一様に付けられるのが特長です。数種の絵具でこの工程をくり返せば、他の技法では出せない深みのある艶やかさを表現することができます。るり釉の際にも漆蒔を応用します。 |
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エンボス |
成形生地にローラーで模様を押し、その模様の上だけは釉を施さずに本焼きをします。本焼後の白生地のエンボス模様の上に金を焼き付けると、浮彫模様がくっきりと金色に輝きます。高度の熟練を要するため、今日では大倉陶園だけが保持する貴重な技能遺産となっています。 |
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金蝕(きんしょく) |
「きんくさらし」「エッチング」ともいいます。白生地に模様をマスキングしその上からサンドを吹き付けると、保護されていない部分の釉面は彫り込まれモチーフを浮き彫りにします。金を施して絵窯で焼成すると、保護されていた釉面の金には光沢が出てサンドの吹き付けられた釉面の金は光沢がなくなり、焼き上がった金の面に模様が浮き上がってきます。 |